SailGP、チームパフォーマンスとファン体験の向上のためにOracle Cloudを活用

SailGPは、セーリングにおける最速のレースリーグであり、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)を利用して、リーグに所属する8チームだけでなく、報道関係者および世界中のファンにリアルタイムのデータを提供しますOCIによって、チームのパフォーマンスを最適化し、感動的な新しいエクスペリエンスをファンに提供することができます。

24万件にも及ぶデータ・ポイントの分析

SailGPでは、OCIとOracle Autonomous Databaseを利用して、選手とファンに向けて、レースの指標に関する情報をリアルタイムで配信しています。これにより、チームのコスト低減とシンプルなITの枠組みにより、チームと選手のパフォーマンスをより深く把握できるようになりました。またOCIの活用は、同チームの二酸化炭素排出量を削減するという目標の達成においても寄与しています。


SailGPがAIを活用した異常検知を試験導入

SailGPはオラクルCloud Infrastructureを活用し、常に一歩先を行っています。AIと機械学習を活用してF50ごとの不具合を検知し、チームの安全確保と修理件数の最小化を図っています。

オラクルのおかげで、人工知能と機械学習という素晴らしいテクノロジーにアクセスできるようになりました。この結果、新しい分析情報をより迅速に獲得できるようになりました。

SailGP、CEO、Russell Coutts

SailGPにおけるOCIの実装について

SailGPでは、選手やファン向けのリアルタイムな情報提供の実現に向けて、Oracle Cloud Infrastructure StreamingとOracle Stream Analyticsを使用して、500ミリ秒ごとに15,000メッセージから20,000メッセージのメッセージを処理・解析しています。データはF50カタマラン艇からOCI FastConnectを介してOracle Cloudリージョンにストリーミングされて、SailGPアプリと各放送局で表示されます。それと同時に、データは分析用途としてOracle Autonomous Data Warehouseにも送られています。

 

以下の画像は、SailGPのセーリング・リーグがF50カタマラン艇のセンサーからデータを取得し、そのデータを処理して各メディア・パートナー向けにストリーム配信する仕組みのアーキテクチャを示したものです。

このアーキテクチャは、パブリック・サブネットとプライベート・サブネットを含むVCNを持つOCIリージョンで構成されています。

プライベート・サブネットでは、以下のサービスを使ってデータが処理されています。

  • データはF50カタマランからFastconnect接続とDynamic Routing Gatewayを経由してFlexible Virtual Machineに流れ、Oracle Stream Analyticsを経てOracle Autonomous Data Warehouseに送られます。また、Oracle Stream Analyticsサーバーは、データウェアハウスからオフロードされたデータも収集しています。
  • MySQLサーバーは、レガシー・アプリケーションを使ったデータ処理やレプリケーションにも使われています。こうしたデータはOracle GoldenGate Cloudサービスを経由してリアルタイムにOracle Autonomous Data WarehouseにMySQLのデータをレプリケーションして流れています。
  • セキュリティ・サービスには、Oracle Identity and Access Managementや、Oracle Identity Cloud service、Oracle Cloud Guard、Oracle Network Security Groupが導入されています。
  • Oracle Autonomous Data Warehouseから収集したデータは、Oracle REST Data Servicesを通じて各メディア・パートナー向けに公開します。図では、プライベート・サブネットのRESTデータ・サービスからパブリック・サブネットのフレックス・ロード・バランサーに向かう矢印が描かれています。

パブリック・サブネットの場合:

  • メディア・パートナー向けのデータは、フレックス・ロード・バランサーが、インターネット・ゲートウェイ経由で送っています。

VCN外のオブジェクト・ストレージには、バッチ・データが格納されています。

サステナビリティに関する目標達成

SailGPは、2025年までにすべてのレース運営をクリーン・エネルギーで行うことを目指しています。その一環としてもOCIを利用しています。具体的には、エネルギー使用量の把握や、技術者によるシステムの遠隔操作により、現地に赴く人数を減らすことができます。

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