登録と請求のライフサイクルにおける4つの課題を解決し、メンバー・エクスペリエンスを向上

Oracle Financial Services、プリンシパル・ソリューション・マーケティング担当者、Matthew Swendsen

登録と請求のプロセスとワークフロー

医療保険会社は、登録から請求に至るライフサイクルの中でさまざまな課題に直面しています。たとえば、ある大企業が従業員の医療保険プランを検討しているとします。彼らは非常に専門性の高いプランを探しており、次のオープン登録期間に導入したいと考えています。しかし、その企業は、希望する医療保険会社が、オープン登録の締め切りまでに指定プランの設定、価格提示、見積もりを行えないという課題に直面します。結果として、その保険者は契約を獲得できませんでした。この支払機関は、規制要件の変更に伴う製品調整に苦慮しており、それがリスクの増大につながっています。柔軟な「設定」「価格提示」「見積もり」の機能が不足していることも、新たな地理的市場への進出を妨げています。

別の健康保険会社では、引受の段階において慢性的な遅延が発生しています。この保険会社は、紙ベースのプロセスや、異なるシステムからのデータ再入力、メールベースの承認フローやワークフローに依存しています。こうしたつながりのないプロセスにより、手作業が多く発生し、コストが増加するとともに、顧客との関係にも初期段階から悪影響が生じています。この会社は、登録申請、アクティベーション、履行の各段階でも同様の課題を抱えています。これは、さまざまな情報源とチャネルからのデータ収集が必要であり、さらに、不足データの収集と検証が手動で行われているためです。その結果、登録カードの発行が常に遅れ、金銭的ペナルティや会員からの苦情につながっています。

課題はカード発行後も続き、請求から回収までのプロセス全体におよびます。たとえば、ある大手保険会社では、最重要クライアントの多くが購入したすべての製品について一括請求書を求めるようになっています。しかし、この会社では複数の事業部門で異なる請求システムを運用しており、その要望への対応に苦慮しています。また、成長に伴い、請求階層を含む顧客構造の効率的な管理や、請求状況をリアルタイムで把握することにも課題を抱えています。さらに、会員向けのセルフサービス機能が限定的なため、簡単な問い合わせでも、会員はカスタマーサービス・センターにメールや電話で連絡せざるを得ません。このアプローチにより、コストが増加し、サービスの応答性が低下し、顧客のフラストレーションが蓄積されています。

登録と請求のライフサイクルにおける4つの課題

以下に、ライフサイクルの各段階における課題と改善の機会を示します。これらの課題の背後にはいくつかの根本的な要因があり、保険会社の収益性、カスタマー・エクスペリエンスの向上、リスクの低減の妨げとなっています。

  1. 分断されたデータ・フロー—保険会社は、重複したデータ・ストアや、登録から請求までの非効率的な統合に直面しています。硬直化したレガシー・アプリケーションや互換性のないテクノロジーが、部門横断での顧客の包括的な可視化とシームレスなデータ交換を阻害しています。この状況により、顧客獲得プロセスの初期段階から、関係全体を通じて価値創出の機会が失われています。
  2. 非効率的なプロセス—APIに互換性のない分断されたシステムや昔ながらの手作業が非効率を生み、コスト増につながっています。そのため、新製品を迅速に市場に投入したり、柔軟な料金体系を提供したり、契約済みの料金をれなく請求したりすることが困難になっています。メールベースのワークフローや承認フローは、新サービスの開始、価格設定、顧客情報の更新、シームレスな請求体験の提供など、ライフサイクル全体でプロセスを遅延させます。
  3. 処理速度が遅く、拡張性に限界のあるシステム—多くのレガシー・システムでは、わずかな変更であってもハードコーディングやITチームによる幅広い対応が必要となるため、変化するビジネス・ニーズにすばやく対応できません。その上、多くは依然としてバッチ処理に依存しており、市場が要求するリアルタイムの情報提供や意思決定を行うことができません。また、多くの組織は、インフラの拡張にも困難を抱えており、事業部門の追加、地理的拡大、買収による成長が制約されています。
  4. セキュリティとプライバシーの複雑さ—セキュリティの脅威と要件は増加を続けています。通常、レガシー・インフラストラクチャは多数の個別ソリューションにデータを提供する複数のデータストアを含んでおり、適切な予防策や監査記録が不十分です。このような状況は、内部統制や規制要件へのコンプライアンスを困難にし、全体的なリスクを高めます。

これらの4つの課題を解決するための重要な機能

保険会社がこれらの課題を克服し、新たな機会を創出し、より強固な関係を築くためには、6つの主要な管理機能が不可欠です。これには、以下の機能が含まれます。

  1. 中央統合されたゴールデン・メンバー・レコードとエンドツーエンドプロセスの自動化
  2. 段階的な変革、柔軟性、パフォーマンスを実現するマイクロサービス・アーキテクチャ
  3. ルールベースで高度に設定可能なアプリケーション
  4. リアルタイム処理とデータ・アクセスを可能にする、APIを多用したアプローチ
  5. 複数の利用モデル—機能コンポーネント、エンドツーエンドソリューション、計算エンジン
  6. 予防的な制御と詳細な監査証跡を備えたセキュリティ

オラクルによる支援

Oracle Health Insuranceのコア管理は、医療保険会社向けの保険契約管理、収益管理、請求機能を備えた、業界をリードするSaaSソリューションです。このソリューションは、医療保険会社が、変化の激しい市場環境において俊敏に競争できるよう設計されており、前述の6つの管理機能を網羅しています。オラクルのソリューションは、摩擦のないオンボーディングと登録を支援し、中央のゴールデンメンバー・レコードの作成、効率的なメンバー管理、正確で効率的かつ柔軟な請求を実現します。また、商業医療保険と政府医療保険の両方に加え、その請求も単一のプラットフォームからサポートします。

モダナイゼーションは不可欠であり、現在、オラクルのコンポーネント化されたアプローチを活用することで、当社が提供する業界をリードするクラウドベースのソリューションを余すことなく活用しながら、最適な道筋を描くことができます。簡素化を追求して設計された当社の登録および請求ソリューションは、より良いメンバー・エクスペリエンスを提供します。