Oracle Financial Services、ビジネス・テクノロジー戦略担当シニア・ディレクター、Somna Trehan
パンデミックは、銀行業界に段階的な影響を及ぼしました。この影響の一部は短期的かもしれませんが、銀行にとっては長期的に続く変化もあります。銀行は、低い効率性や利益率の低下、レガシー・システムといった従来の課題に加え、FinTechやBigTechによる市場の変動、変わりゆく顧客のニーズ、そして絶え間ない規制強化という新たな問題にも直面しています。マッキンゼーによると、世界の銀行の51%が自己資本利益率(ROE)が資本コスト(COE)を下回る水準で事業を展開しており、そのうち17%はCOEを4ポイント以上下回っています。明らかに、多くの銀行は依然として顧客や従業員、株主などのステークホルダーに対して価値を提供することに苦戦しています。
銀行が変化の激しい不確実な経営環境の中で業績向上を図るには、自社データを適切に管理し、そこから有益なインサイトを得ることが欠かせません。運用効率を高め、リスク評価を改善し、成長分野にリソースを集中させるためには、より詳細な分析とデータ全体の包括的な可視化が極めて重要です。銀行の財務業務においては、データへの適切なアクセスとその活用によって有益なインサイトを得て、組織の方向性を定める意思決定を行うことが極めて重要です。
膨大なデータを保有しているにもかかわらず、それを活用した迅速かつ的確な意思決定につながるインサイトが得られていない。
複数のツールやデータソースからレポートを取りまとめる作業に多くの時間を割かれており、それが業務全体の進行を遅らせている。
トランザクション・ボリュームの継続的な増加に伴い、情報に基づく意思決定と競争力の維持には、より洗練された分析の導入が欠かせない。
銀行や金融機関における年間平均財務決算期間は125日です。これは、月次、四半期、年次の決算サイクルにわたって膨大な労力を要し、効率が悪くエラーが多いプロセスとシステムが伴うものです財務チームは、生産的な時間の多くを、複数の異なるデータソースからレポートを作成したり、その内容を照合したりすることに費やしています。
ダイナミックで絶えず変化するビジネス環境は、データの収集やレポートに伴う複雑性をさらに高めています。財務部門がより戦略的なビジネス・パートナーとなるには、データ処理や報告にかかる時間を有効活用できる最新の機能が必要です。The Hackett Groupの調査によれば、ワールドクラスの財務部門では、従業員がデータ収集よりもデータ分析に17%多くの時間を割いています。
The Hackett Groupの2022年版「Finance Agenda」レポートによれば、金融機関は予算が削減傾向にある中でも、テクノロジーへの投資を7%増やすことを検討しています。
銀行における財務のモダナイゼーションは、それぞれの成熟度や戦略的な優先事項に応じて異なってきます。全面的な改革に着手する銀行もあれば、特定の領域ごとに段階的にモダナイゼーションを進めるため、モジュール型の手法を取る銀行もあります。高度な分析、自動化、データ管理、ガバナンス機能を備えたテクノロジー・ソリューションは、銀行のモダナイゼーションを後押しします。集中型データ・モデルを含む統合テクノロジー・スタックは、銀行に俊敏性をもたらし、新たな要件への対応力を高めます。
Oracle Finance Modernizationは、Cloud ERP、Cloud Infrastructure、Data Foundation、Profitability Managementなど、イノベーションと変革を促進するために統合された実績あるソリューション群を提供します。Oracle Finance Modernizationを導入することで、銀行は財務業務の効率を大幅に向上させ、必要な労力を削減できます。主な改善点は次のとおりです。
オラクルとともに、銀行は安心して財務のモダナイゼーションへの取り組みを開始できます。オラクルの専門家は、将来を見据えた戦略的な財務機能の構築において、これまでの豊富な実績と経験を活かし、各銀行のパートナーとして支援します。