運用効率とパフォーマンスを向上させるためのデータ活用は、コンピュータ数値制御インフラストラクチャ、サプライチェーンと倉庫システム、ロジスティクスとテストシステムなど、あらゆる種類の製造生産システムに適用できるユース・ケースであるため、特に製造業に適しています。
メーカーは従来、過去の記述的および診断的メトリックに重点を置いてきましたが、現在では高度な分析、機械学習、データ・サイエンスを使用してパフォーマンス向上を測定し、先行的、予測的、処方的な提案事項を策定し始めています。
このユース・ケースは、設備、ライン、プラントの運用効率やパフォーマンス・メトリクスを測定するための製造実行システム(MES)、倉庫管理システム(WHMS)、コンピュータ・メンテナンス管理システム(CMMS)、メンテナンス・システムにより生成されたデータの取り込み、保存、管理、インサイトの取得に必要なデータ・プラットフォーム・アーキテクチャに焦点を当てています。
生産プロセスやパフォーマンスに関するデータを取り込み、キュレート、分析することで、メーカーはボトルネックや非効率を特定および排除し、生産スケジュールを最適化して生産量を増やすことができます。製品の品質に関するデータにも同じアプローチを適用することで、メーカーは欠陥のパターンや根本原因を特定することができ、より効果的な品質管理対策の実施に役立てています。さらにメーカーは、エネルギー消費に関するデータを含めることで、コスト削減とサステナビリティ向上を目的としたエネルギーの効率化を推進できる分野を特定することが可能です。
ここで紹介するアーキテクチャは、オラクルの推奨コンポーネントを組み合わせて、発見からアクション、測定まで、データ分析のライフサイクル全体をカバーし、上記のような幅広いビジネス上のメリットをもたらす分析アーキテクチャを構築する方法を示しています。
4つの機能はすべて、永続化、キュレーション、構築の柱の中で、サービング・データ・ストアとクラウド・ストレージに一方向に接続されます。
さらに、ストリーミングの取り込みは、分析、学習、予測の柱の中で、ストリーム処理に接続されます。
こうした機能は、柱の中で接続されています。クラウド・ストレージは、サービス・データストアには一方向に接続され、バッチ処理には双方向に接続されています。
2つの機能は、分析、学習、予測の柱につながります。サービング・データストアは、分析機能と可視化機能、そしてデータ製品とAPI機能の両方に接続します。クラウド・ストレージは、機械学習機能に接続します。
測定、行動の柱は、人とパートナーによるデータ分析の利用方法を捉えます。
人とパートナーは、運用効率(処理時間、エラー率、リソース使用率)、プロセス・ボトルネックの特定、顧客生涯価値、市場および競合分析、パフォーマンス評価で構成されます。
3つの中心的な柱である、取り込み、変換と永続化、キュレーション、構築と分析、学習、予測は、インフラ、ネットワーク、セキュリティ、IAMでサポートされています。
データの接続、取込み、変換
オラクルのソリューションは、それぞれが特定のデータ・プラットフォーム機能をサポートする3つの柱で構成されます。最初の柱は、データの接続、取り込み、変換の機能を提供します。
メーカーが運用効率とパフォーマンスを向上させるために、アーキテクチャにデータを注入する方法は主に4つあります。
データの維持、処理、キュレート
データの永続化と加工は、3つの(オプションとしては4つの)コンポーネントの上に構築されています。お客さまによっては、そのすべてを使用する場合も、サブセットで使用する場合もあります。データの量や種類によっては、オブジェクト・ストレージにロードしたり、構造化されたリレーショナル・データベースに直接ロードして永続的に保存することが可能です。データ・サイエンス機能の適用を想定する場合は、データ・ソースから生の状態(未処理のネイティブ・ファイルや抽出物)で取得したデータをトランザクション・システムからクラウド・ストレージにロードすることがより一般的です。
データの分析、予測、行動
分析、予測、行動をする機能は、3つのテクノロジー・アプローチにより促進されます。
データサイエンスと機械学習で特定したパターンを組み合わせて作成した複数のモデルは、AIサービスが提供する応答システムや意思決定システムに適用することができます。
最後に重要な要素として、データ・ガバナンスがあります。これは、データ・プラットフォーム・エコシステム内のすべてのデータ・ソースに対して、データ・ガバナンスとメタデータ管理(技術メタデータとビジネス・メタデータの両方)を提供する無料サービスであるOCI Data Catalogによって実現されます。また、OCI Data Catalogは、Oracle Autonomous Data WarehouseからOCI Object Storageへのクエリにおいて、保存方法に関係なくデータを迅速に検出する方法を提供する極めて重要なコンポーネントです。これにより、エンド・ユーザー、開発者、データ・サイエンティストは、アーキテクチャ内のすべての永続データストアで共通のアクセス言語(SQL)を使用することができます。
ビジネスの迅速化と競争の激化に伴い、重要なオペレーティング・データの提供に使用されていたレガシー・システムでは対応しきれなくなっています。このようなシステムでは、断片的でサイロ化されたデータを照合、統合し、レポートを作成するために多くの手作業が必要なため、情報の入手が遅すぎてビジネスに必要な利益を得ることができません。
生産リソースを最大限に活用することは、製造業務を最適化する上で非常に重要です。誤った製品を生産したり、適切な製品を非効率的に生産したりすることに費やす1分1秒は、コストや無駄を増やすだけでなく、顧客が必要とするものを提供する妨げにもなります。業務の最適化とパフォーマンスの向上は、メーカーに次のような数多くのメリットをもたらすことがあります。
高度な分析で安全衛生の向上を支援するデータ・プラットフォームを使用して、製造業務の安全性を高める方法をご紹介します。
製造業向けOracle Data Platformを活用して、プラント・データをより効率的に統合し、迅速にインサイトを得る方法について説明します。
機械学習による予測メンテナンスを可能にするデータ・プラットフォームで、資産を最適化する方法をご紹介します。
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